介護保険制度は、2000年4月にスタートした公的保険制度です。
高齢化が急速に進む中で、「家族だけに介護の負担を任せる」形から、社会全体で支え合う仕組みへと転換するために作られました。
背景には、核家族化や女性の社会進出による介護力の低下、そして高齢者人口の増加による介護需要の急拡大があります。
そして今――団塊の世代が後期高齢者となった2025年。
母はきっと「子どもに面倒を見てもらえる」と信じて生きてきたのだと思います。
実家の近くで暮らす甥や姪の話を、うらやましそうにする母。
父亡き後「帰ってきて」と何度も言われました。
でも私は50歳を過ぎて田舎で何ができるのかと考えてしまいます。
夫が安心して働ける就職口はあるのか。
車社会の田舎で、運転もできないのに。
田舎暮らしに興味もないのに引っ張って行っても、お互い幸せになれるでしょうか。
そう考えるたび、母に申し訳ない気持ちがわき上がります。
中途半端に生きているような罪悪感は、今も消えません。
それでも私は、自分の家族が不安になるような生活はしたくない。
優先順位は自分の家族です。
母にはできる限りのことをやる――それが私の精一杯。
そして私は、自分の子どもにはやりたいことを応援できる親でいたい。
思えば、私が子どものころ、両親は「なんでもやらせてくれる」タイプではありませんでした。
地元で就職し、結婚する…そんな将来を描いていたはずです。
長女だった私には縛りが多く、居心地がいいとは言えませんでした。
だから就職を機に東京へ出たのです。
「長女だから」――
その言葉で人生を縛るのは、もうやめてほしいのです。
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